マンホールマニアの見る世界

その事を考えると楽しくて仕方がない、そんな趣味を持てたらなあと思います。

以前ニュース番組の中で夏休みの自由研究を特集したコーナーを観た事があるのですが、その中で「マンホールが物凄く好き」という中学生くらいの女の子が登場しました。(かなり前の事なので、もしかして色々記憶違いがあるかもしれません)

彼女はマンホールの蓋を見たら何のマンホールかすぐにわかるという事で、道路を歩きながらマンホールの蓋を見つけると近寄って記者に説明していました。

マンホールと一口に言っても下水道だけではなく、ガスの配管とか水道管とか色々な用途があるんですよね。

それで、夏休みの宿題で、自分の住んでいる町のどこにどんなマンホールがあるかを実際に歩いて調べて、詳細なマンホール地図を作ったという事でした。

さしずめ「マンホール博士ちゃん」というところです。

地図の出来映えも何だか凄くて「この子の目には、マンホールの蓋を通して普通の街並みと一緒に地下世界も見えているんだな」と不思議な気持ちになった事を覚えています。

ところでちょっと調べてみたらマンホールの蓋マニアの人って結構多いみたいですね。

その人たちの事を「マンホーラー」とか、女性なら「蓋女」って呼ぶらしいです。

マンホーラーさん達はマンホール博士ちゃんとは少し方向性が違っていて蓋そのもののマニアの様で、ご当地のイラストが描いてあったり色々なデザインがあったりするマンホールの蓋の写真を撮ってコレクションしているみたいです。

それもとても楽しそうです。

マンホール博士ちゃんの時に思った事はずっと頭に残っていて、もしかしたらみんな見ている世界は違うのかもしれないと時々思い返しています。

車を買い替える事にして希望の車種を決めると、街中でその車ばかりが目に入るようになったり、自分が妊娠したら途端に周りが妊婦さんや赤ちゃんだらけになった様に感じる事があると思います。

誰でも何かしら違うフィルターを通して世界を見ていて、他の人とは見えている世界が違いのだと思います。

もしも他の人の体に乗り移る事ができて、その人の見ている世界を見る事ができたら面白いだろうなと想像したりします。

色なんかも、自分が「赤」と認識している色は本当に他の人にも同じ色に見えているのだろうか、なんて考えてしまいます。

もしも違ったならば、見ている世界はそれこそ全然違うんでしょうね。

それを確かめる術が無いのが残念です。