ジャニーズ問題

最近ジャニーズ事務所の報道について、色々な方がご自分の考えを発信しておられます。

私達日本人にとっては少なからず近しい存在であるジャニーズ事務所の今回の報道は、芸能界とは無縁であってもどこか他人事ではなく、何かしら自分の考えを持ってこの件を見守る必要があると感じている方が多数おられるのではないかと思います。

なので私も今自分が考えている事を書き残しておこうと思いました。

改めてこの問題について考えてみると、このジャニー氏の性加害って、きっと公然の秘密なのだろうと、芸能界とは無縁の私でも昔からそう思っていました。

そして芸能界ってそういう世界なんだろうと、特に問題意識も持っていませんでした。

私はSMAPや嵐のファンで、一時期嵐のファンクラブに入っていたし、どちらのライブにも行った事があるし、CDもDVDも沢山持っています。

とても好きな人達と性加害。

頭の中で結びつかなくて、それはそれ、これはこれといった感じで、その二つは完全に分離していました。

また、同性同士の性加害に対して今ひとつピンと来なかったという事もありますし、男性から女性に対する性加害と、男性から男性への性加害は全く別の物だという認識もあったのだと思います。

実際これまでの社会全体にそういう風潮があったと思いますし、これらの事が今やっと問題視されるようになったという事自体が、まだまだ社会が未熟であるという証拠かもしれません。

私も今になって、それってやっぱりおかしい事だったんだと認識を改めましたがその一方では、ジャニー氏にはそういう性癖があったにしろ芸能面では素晴らしい功績も残したのではないかとさえ思っていました。

ですが先日、社会派プロガーちきりんさんのボイシーでこの件を取り上げておられたのを聴いていて、それがいかに浅はかな考えかを痛感させられました。

ちきりんさんは、この件が世界のメディアからどう見られているか多くの人は理解出来ていないと話されていました。

この件は、ある芸能プロダクションの中で起こった不祥事というような話ではなく、1人の小児性愛者が自分の欲望を満たすために犯罪組織を作り上げたという話なのだ、と。

少なくとも世界のメディアは今回の件をその様に捉えているのだと言われていました。

紐解いていくと、いかに被害者達が巧妙に、逃げ出す事も声を上げる事も出来ないような環境に置かれていたかが浮き彫りになっていきました。

まだ幼かった被害者達が自分に起こったことを受け止められずに、相談した事務所の大人達からもこれは通過儀礼だと言って相手にもしてもらえなかったとしたら。

羞恥心から誰にも相談できずどれほど苦しかった事か、胸が痛みます。

とは言え、ジャニーズ事務所が1人の性犯罪者によって意図して作られた犯罪組織だったとしても、そこに属するタレントさん達は自発的に犯罪に加担したわけでは無いと思います。

でも結果的に1人の性犯罪者が犯罪を重ねる事を助けるような言動をとっていたのだとしたら。

自分も被害を被っていようとそうでは無かろうと、やはり完全に無関係とは言えないだろうと思います。

ただ、もしその当時声を上げたとしても、きっと大きな力にねじ伏せられていただろうと思います。

ではその時そこに居合わせた人達は一体どうすれば良かったのでしょうか。

もし自分だったらどうしただろうか。

考えても答えは出ません。

この件に関わっている方達は今好奇の目に晒されて辛い思いをされていると思いますし、とてもセンシティブな問題なので簡単に全てを白日の元に晒して早期に解決しようという訳にはいかないでしょう。

ジャニー氏が存命ならば幾分スッキリした解決が見られたかもしれませんが。

 

私たちの身の回りでも何だか変だと思いながらも声を上げるほどの事では無いと思ったり、保身のために声を上げなかったりする事はあると思います。

近い将来その是非を問われる時が来るのかも知れません。

もう周りに合わせていればそれで全て済むような時代ではなくなったのだと思います。

今回の報道は我が身を振り返る機会にもなりました。

ともあれ今後のジャニーズ事務所の動向を見守って行きたいと思います。