原田ひ香氏の「三千円の使い方」という小説を読みました。
ドラマ化もされ現在放送中なのでそちらも毎週楽しみに観ています。
ドラマの方は話を少し膨らませてあったり、多少設定を変えている部分もありますが、どちらもとても面白いです。
特に「三千円の使い方で人生が決まる」と、タイトルに繋がる台詞を言うおばあちゃんがとても素敵で、おばあちゃん役の中尾ミエさんがホントに魅力的なんです。
自分の老後はこんなふうでありたいと思いながら毎週楽しく観ています。
この物語では、ある普通の家族と彼らを取り巻く人々の、それぞれの年代や役割にアプローチしたお金にまつわるエピソードが描かれており、自分がどの世代でどんな経済事情を抱えていても、どこかしら自分ごととして感情移入できる部分がある、そういうお話になっていると思います。
私の経済事情はというと、この先の事を考えるととても不安です。
家計簿は大雑把にですが一応つけてはいます。
でもそれが何か節約や貯蓄に繋がっているかというとそう言える自信はないし、この歳になっても老後の蓄えなどほとんどないし、それなのにお金はどんどん飛んでいくし、親の介護もいつ始まるかわからないしと、色々考えると不安でたまらなくなります。
真剣に向き合うのが怖いので「なんとかなるだろう」と根拠もないのに現実から目を逸らし続けています。
多分、わからないから怖いんだと思います。
これまでの事を振り返っても不安な事や怖い事の大半は「わからない事」なんですよね。
実際、不安なままでいる事に耐えかねて思い切って向き合ってみたら思いの外あっさり解決した、という事は幾つもありました。
後になってあの時向き合わなければ今でも囚われていたかもしれないと思うと、分かろうと行動することの大切さを強く感じます。
この物語も、登場人物達がちゃんと不安と向き合ってそれぞれに希望が持てる未来へと歩き出していくお話です。
私の今の不安の原因は、お金全般に対する知識のなさだと思います。
老後に1人何千万必要だとか、今更聞かされてももうどうしようもないと投げやりになりそうですが、今自分にできる事、例えばiDeCoやNISAの事を調べてみたり、お金の事を扱っているセミナーに行ってみたり、不安を解消するために出来ることは何かしらあると思うのです。
なんでもっと若い時に少しずつでもいいから貯金や投資を始めなかったんだろうと後悔もありますが、何もせずまた10年経ったら「なんで10年前に何か始めなかったんだろう、まだ十分若かったのに」って後悔するのではないかと思います。
「今日が人生で一番若い日」なんですよね。
「三千円の使い方」は、そんな事を考えさせてくれるお話です。