親切なウインカー

 

 お題「子どもの頃に勘違いしていた、ちょっと恥ずかしいこと」

小学校低学年位だったと思いますが、父の運転する車でどこかに行った帰り道、後ろのシートから運転席を見ていると、道を曲がる前にカチカチと音がして曲がる方向にランプが点くことに気がつきました。

しばらく見ていると、また道を曲がる前にランプが点いたので、父に「ねぇ、何で曲がる時にそっちのほうにランプが点くの?」と聞くと、父は「え?曲がる事がわかる様にだよ」と答えました。

私は「ふーん」と言い口には出さなかったけど「お父さんがどっちに曲がればいいのか、何で車にはわかるんだろう」と思っていました。

小さな子供には、後続車に知らせるためにウィンカーがあるとは思いもよらぬ事でした。
父も自分にとっては当たり前すぎる動作で、娘の勘違いに気づかず言葉が足りなかったようです。

父が自分でランプを点けていると知ったのはだいぶ後の事です。