この前テレビを観ていたら、何かのインタビューで「毎日違う献立じゃないと夫がご飯を食べてくれないんです」と嘆いている女性がいました。
実は私、普段は比較的穏やかな方だと思うのですが、この手の話になると無条件で沸点が低くなり「じゃあ自分で作ればいいじゃん!」とテレビに毒づく、瞬間湯沸かし器と化します。
私がこの手の話題にやや過敏に反応するのは、私の中に次のような心理的葛藤が存在する為と思われます。
1. 令和の世になっても未だに性役割として女性が食事の支度を担っているケースが大 半だと思われる事への憂い。
2. もし「昨日と同じだから食べない」と言われておかずが残ってしまった場合、その 残り物はどうすればいいのかというと「捨てる」「作った人が責任を取って食べる」位だろうと思うが、フードロスへの配慮とか、作った人への感謝の気持ちとかは一体どーなっとんじゃ!という腹立ち。
3. 毎日の献立決め、からの毎日の料理、は苦行である(少なくとも私にとっては)にも関わらず、それを回避してなお文句まで垂れる厚かましさへの怒り。
まだあると思いますが、このくらいにしておきます。
ところがこのインタビューを見た時、なぜか初めて「どうして同じおかずが続いたら嫌なんだろう」という疑問が浮かびました。
私はカレーやおでんが3〜4日続いても平気だし、夫も同じようなタイプです。
むしろカレーやおでんは最初から数日食べる事を前提として多めに作ったりします。
これまでそれが普通だと思っていましたが、ある時学生時代からの友人(男子)が、「おでんでも何でも、前の日のおかずは絶対食べない」と言ったため「奥さんだって仕事から帰って来てからご飯作ってるのに何言ってんの⁈」と過敏センサーが反応しました。
それに対し友人が「そういう時は、今日は外で食べようかって言うよ。僕の奢りで」と言うので「それなら良いけど」と振り上げた拳を下ろさざるを得ませんでした。
まあ、余計なお世話というところでしょうけど。
余計なお世話ついでに、「昨日と同じおかずを食べたくない人」の心理を探るべくネットの書き込みを見てみると、「作る側の人」からのお悩みが沢山見つかりました。
読んでみると少しずつ「昨日と同じおかずを食べたくない人」の言い分が見えて来ました。
1. 「作ってから時間が経っているから食べたくない」という自己防衛。
このタイプの人は過剰に賞味期限や消費期限を気にするためか、冷蔵庫さえあまり信用していない様子。
2. 生育環境。
子供の頃から毎日違う献立の料理を提供されていた。本人の親も同じ考え。
3. 好きではないおかずを食べたくない時の言い訳。
その証拠に、好きなおかずなら毎日でも食べる。
1は、私のように3秒ルールが採用されていた世界で幼少期を過ごした世代の人間からすると、冷蔵庫に入れてあり、しかも一日しか経っていないのに安全に食べられるかどうかを疑う人がいるというのは正直盲点でした。(梅雨時や真夏は別ですが)
ただし、同世代でもルールの異なる世界に住んでいた人もいると思うので、同世代と一括りにするのはいささか乱暴かもしれせまん。
また、過去に賞味期限、もしくは消費期限が切れた物を食べた事で生死の境を彷徨った、というトラウマがあると言う場合もあるかもしれません。
2の生育環境の違いはなかなか難しい問題です。
「育って来た環境が違うから、すれ違いは否めない」と某元国民的アイドルも言っていましたし。
3は、一見ワガママ以外の何ものでもありませんが、偏食傾向のある私としては採点が甘くなるところです。
よく話し合って、妥協点を見つける必要がありそうです。
これに対し善意のネット民からアドバイスや意見が寄せられていました。
1. 「賞味期限と消費期限は違うよ」などと論破する。
2. 食事を作る人に対し「今は好きな物しか食べないかもしれないけど、歳を取り健康に不安を感じるようになれば何でも食べるようになるから」と長い目で見てあげるよう諭す。
3. 「それなら自分で作れば?と言ってやれ」とけしかける過激派。
4. 「好みをちゃんと聞きましたか?そもそも作る量が多すぎるから次の日まで残るのではないですか?」と作る人を暗に非難し、食べたくない人を擁護する。
なるほど、色々な考え方がありますね。
正解のない問題ではありますが、私個人は3.「それなら自分で作れば?と言ってやれ」を採用したいと思います。